黒潮と対馬海流を よく利用します(夏)谿畔 |
ふるさとはよし 川面の月と 鮎の香と(夏) 谿畔 |
晴れたり曇ったり 酔うたり覚めたり 秋は行く 山頭火 |
山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 山頭火 |
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皮を剥ぐ灰汁をぬく やっと筍飯(春)谿畔 |
打ち水が乾く前にくる 金魚売(夏)谿畔 |
自分のまわりの事物が バラバラになりかけたら 釣りに行きなさい 谿畔 |
ただ二日我慢してゐし この酒のこのうまさはと 胸暗うなる 牧水 |
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釣れないのは場所でも 時間帯でもエサ道具でも ないとなると何のせいに しようか。(夏) 谿畔 |
ハラハラさせるゼロ戦が いる草若い河川敷の ラジコン飛行隊(春) 谿畔 |
よい事は 空から舞い 降りてくる蜘蛛の 糸のように(夏)谿畔 |
後ろの左舷ばかりが なぜ釣れる船長 取舵イッパイ(夏) 谿畔 |
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本当はヤドカリなんだと 鱈場蟹(冬)谿畔 |
まっていました 目の下 三寸桜鯛(春) 谿畔 |
人間もピリリと辛いのが いい山椒のように(春) 谿畔 |
わが家の植木に 卵を産む気か アゲハチョウ(春) 谿畔 |
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いざっ 大海原へ(夏) 谿畔 |
忘れたい事は 選べるの だろうか(夏) 谿畔 |
清冽な 水で出合う 縞泥鰌(夏)谿畔 |
なかなかの 趣がある 宗田鰹(秋)谿畔 |
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田螺が歩く 轍がのびると 水がぬるむ(春) 谿畔 |
蜃気楼の 下にきときとの 蛍烏賊(春) 谿畔 |
ちょっとした 宝さがしさ 汐干狩り(春) 谿畔 |
庭の住人 トカゲの 日光浴(夏)谿畔 |
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虹鱒を釣る 堀の湧水の 冷たさ(夏) 谿畔 |
暗闇に はばたく 蝙蝠(夏) 谿畔 |
空には 鰯雲の 松茸狩り (秋)谿畔 |
溪流も 冷たさを増す 木の葉山女魚( 秋)谿畔 |
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掛かって来いと 凧合戦(春) 谿畔 |
そっとそっと ふわりふわりと 紙風船(春) 谿畔 |
人影も 途絶えて静かな 竹落葉(夏) 谿畔 |
窓越しの 雨を見つめる 鴎外忌(夏) 谿畔 |
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ネルのシャツとすれ違う 連休初日の帰り道(夏) 谿畔 |
結び草 見て思い出す 草いきれ(夏) 谿畔 |
お気に入りの 靴もおあずけ 送り梅雨(夏) 谿畔 |
蚊よけの煙が たちのぼる 熱帯夜(夏) 谿畔 |
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夏めくや 上着脱ぐ日も 多くなり(夏) 谿畔 |
蛇衣を見つけ 回り道を選ぶ(夏)谿畔 |
重い空 肌にあたる 黄雀風(夏)谿畔 |
出掛けに 麦藁帽子を 選んでしまう残暑かな (秋)谿畔 |
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燈油缶 仕舞う蛙の 目借り時(春)谿畔 |
サイクリング はじめて気付く 踊子草(夏) 谿畔 |
鰊去り 三三五五と 漁夫帰る(夏)谿畔 |
脱兎の如く タープの影へ 海の日哉(夏) 谿畔 |
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淑気満ち 根雪も 新雪のよう(新年) 谿畔 |
春近し キラメキやさし 水面哉(冬)谿畔 |
たなごころ 息を吐きかけ えりを挿す(春) 谿畔 |
魚釣り初電 (はついなびか り)刻を知る(春)谿畔 |
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いつも見た 今年の 花は 一人見る(春) 谿畔 |
木漏れ日の 筍ながし さわさわと(夏) 谿畔 |
蛍狩り 足元ぬらし 家路哉(夏) 谿畔 |
片陰に 寄り添うように 滑り込む(夏) 谿畔 |
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休暇明け 肌濃きほどの 笑みの時(秋) 谿畔 |
火恋しと 覗く爪先 庭を掃く(秋) 谿畔 |
末枯れて 降ろす寂鈴 キリギリス(秋) 谿畔 |
小春日和 埃り 叩きて 灯油買う(冬) 谿畔 |
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借景も すべて溶け込む 温め酒(秋) 谿畔 |
牧閉す 斑模様の 草千里 谿畔 |
神渡し 葉の無き枝の 空青し 谿畔 |
寡黙なり 先手先手と 冬至梅 谿畔 |
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赤い羽根 聲する側へ 付け直す(秋) 谿畔 |
秋茜 空を染めのち あくがれる(秋) 谿畔 |
凩や 洪水あとの ドライヤー(冬) 谿畔 |
今年のは ほぼ新品 また日記買う(暮)谿畔 |
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嘴で 何を引き出す 渚鴫(秋) 谿畔 |
冬凪の 水平線と 帆掛け漁(冬) 谿畔 |
コロナ禍の自粛と楽観 冬休(冬) 谿畔 |
公魚と鮮色のセーターと マフラー(春)谿畔 |
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枝ぶりを 整え直し 小春なり(冬) 谿畔 |
時間制の 教徒なり メリークリスマス(冬)谿畔 |
墨の香乃 稽古始に 着信音(新年)谿畔 |
ピンクのボタンダウン 着て蜆汁(春)谿畔 |
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枝揺らす 小さき鳥と 帰り花(冬)谿畔 |
握りしむ 拳の弛緩 冬日和(冬)谿畔 |
街はいま もとの喧騒 小正月(新年)谿畔 |
朝寝した 髪撫で 時計睨みつけ(春)谿畔 |
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正座列 前は誰そ彼 足袋の裏(冬)谿畔 |
やぶ入りの里への切符 三度見る(新年)谿畔 |
北からのお土産開けて 冬ぬくし(冬)谿畔 |
逃水を連れて迎えの オープンカー(春)谿畔 |
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絵手紙とは一味違う本物の書風をお愉しみください。実際にお使いになる のもよし、飾るのもよし、また近代詩文の手本としてもどうぞ。 こちらの作品は絵葉書としてでも販売しています、各1枚120円(10枚からの販売です)。いかがですか |